お坊さんからのお知らせ
勇猛精進日記

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八相成道

2016.01.19

釈尊の人生は「八相成道」あるいは「八相示現」「釈迦八相」と云う8つ主要な出来事で構成され理解される。下記の如くである。
①降兜率。。。。釈尊は幾世も修行を積み重ね、前世、兜率天という天界で修行をほぼ完成し最後の生として「仏陀」になるために白像に乗って人間界に降りてきた。前世から今世への結節点。(下天ともいう)
②入胎。。。。釈尊は自分が生まれるにふさわしい家系はどこかと兜率天から人間界を見据え釈迦族、摩耶夫人の右脇より胎内に宿ったこと。
③出胎。。。。ルンビニーの花園で摩耶夫人の右脇から誕生するや七歩歩き「天上天下唯我独尊」この世を掌握し自分がこの世の人々の救済をするため生まれてきたことを宣言した。
④出家。。。。釈尊の人生においての分岐点「四門出遊」。城からでようとしたとき東西南北のそれぞれの門の外で人生の現実を目のあたりにする。「東門」力ない老人がいた。「南門」やつれて苦しんでいる病人に出会う。「西門」死者の葬列に出会う。「北門」輝かしい出家者に出会う。人間がさけて通れない老病死に対する深い思いが出家の動機である。29歳で釈尊は全てを捨て出家、修行生活を始めた。
⑤降魔。。。。釈尊は様々な師の元で修行し短期間で最高の境地に達したといわれている。そしてひとり6年にも及ぶ苦行を行ったが悟りは得られず、極端に偏らない「中道」こそ真理にいたる最善の道だと考える。後にブッダガヤーと呼ばれる場所で禅定に入った。そこで、悪魔の誘惑(釈尊は煩悩を悪魔と例えている)と戦い、全てを降伏させた。「成道」直前の出来事。悟りを妨げる悪魔を下した。
⑥成道。。。。人間苦が明らかになり、その滅尽の法も明らかになる。「成道」縁起の法も悟り、35歳にして悟りを開いた。
⑦転法輪。。。。法を人々に説くことが転法輪というが、釈尊ははじめに悟りの内容を人々に伝えるつもりはなかったという。難解な真理を人に理解させることは出来ないと思っていたようだ。その気持ちに気付いたバラモン教最高神ブラフマンが教えを説かなければ世界には希望がないと懇願し説法を決意する。これを梵天勧請という。以前苦行を共にした5人の比丘に説法するため旅に出る。この説法を初転法輪という。その後多くの人々が帰依していく。
⑧入滅。。。。初転法輪後、釈尊は説法の旅へと出ていた。多くの人々が帰依したといわれている。最後の説法の旅の途中、施した食事の後激しい下痢に見舞われ老いた身に生命の危機が訪れた。その供養は功徳と称えたことは有名である。苦しみながら旅を続け、クシナガラという寒村の2本の沙羅双樹の下に横たわり涅槃に入る。釈尊80歳。