お坊さんからのお知らせ
勇猛精進日記

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〜お坊さんメモ〜その25〜

2019.09.19

【〜お坊さんメモ〜その25〜】
各周忌、回忌を司る仏様をまとめてみました。
〜お坊さんメモ〜その25〜では六七日を司る弥勒菩薩の紹介です。
忌日:六七日 
逆修日:‪六月十五日‬
三昧耶形:蓮華上の塔 卒塔婆、賢瓶
種子:ユ
真言:オン マイタレヤ ソワカ
説明:弥勒菩薩という名前は梵語のマイトレーヤの音訳を語源としている。また意訳され慈氏とも呼ばれる。弥勒菩薩の頭には五仏を表す宝冠をかぶり、その宝冠には卒塔婆が描かれている。右手には蓮華を持ち蓮華の上には智水のはいった賢瓶が乗っている。賢瓶は智慧の水を行者にそそいで惑障を取り除く意味を持っている。胎蔵曼荼羅では中台八葉院の四菩薩として描かれており、金剛界曼荼羅では賢劫十六尊の筆頭とされる。左手は説法の印を結んでおり蓮華台の上で結跏趺坐している。一般的に弥勒菩薩は兜率天で衆生を教化しているが、釈尊入滅後五十六億七千万年の後に人間界に降りて来て釈尊の説法に溺れている衆生の救済をすることを約束している菩薩であると『菩薩処胎経』ぼさつしょたいきょう』52に説かれている。弥勒菩薩は「一生補処」の菩薩である。この意味は「一生の次には仏の位処を補う」ということで、成仏が約束されているということである。このように将来必ず成仏することから「未来仏」とも呼ばれるようになる。密教においては、現世をよりよく生きることを重視するために、未体の救世主という働きよりも仏の可能性を持った菩薩として弥勒菩薩の役割は強い。『大日経疏』53には慈氏菩薩として登場し金剛界曼荼羅の金剛因菩薩、『金剛頂経』『理趣経』では纔発心輪法輪菩薩と同体である。