お坊さんからのお知らせ
勇猛精進日記

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〜お坊さんメモ〜その20〜

2019.05.27

各周忌、回忌を司る仏様をまとめてみました。
〜お坊さんメモ〜その20〜では初七日を司る不動明王の紹介です。
忌日:初七日
逆修日:一月十六日
三昧耶形:智剣
種子:カーン又はカンマーン
真言:ノウマク サマンダ バザラダン カン
説明:十三仏の最初に強い力で導くのが不動明王である。不動明王の「不動」とは菩提心が動かないことをあらわした名前である。降三世、軍荼利、大威徳、金剛夜叉とともに五大明王といわれ、仏教の守護の任にあたる。「明王」とは医術や呪術などの神秘的な力をもつもののことで、不動明王はその代表である。厳密には不動尊、無動尊が正しいようだが、大日如来の勅命を受けて強情な荒くれ者を降伏させ教化させることから不動使者、無動使者ともいわれている。不動明王は大日如来の化身、つまり同体なのだ。胎蔵曼荼羅の持明院に住し、不動明王の姿というのは青黒い肌をした力強い青年の姿、顔は怒りをあらわにし左手には羂索を下げ、そして火炎に包まれ盤石という岩の上に座っている。また尊像として立っている姿のものもある。亡者は不動明王によってあらゆる煩悩を焼き尽され揺るぎない菩提心を起こして仏の道を進んでいく。大日如来は歴史的に活躍した釈尊とは異なり、宇宙全体の象徴である。しかし、大日如来は自らの位にとどまっているため、般若菩薩に姿を変え衆生に教えを導いている。それでもなお煩悩が強く救われないもののために「教令輪身(きょうりょうりんしん)」という恐るべき姿にかわり、不動明王の怒りに満ちた顔つきは仏の教えに従わない衆生に対し大日如来の怒りを表していることになる。その罪業に満ちた衆生を仏の道に導くために大日如来の使者として、あえて怒りの姿であられるのである。また不動明王の事を「如来使者」ともいう。不動明王の背後の火炎はあらゆる煩悩を焼き尽すことをあらわしている。右手の智剣は悪業を断ち切り、左手の羂索は心が揺れ動かないように縛り付けるものである。強い導きによって衆生が一度発こした菩提心は迷うで動かされることがないことをあらわしている。
画像:画僧 牧宥恵 作 「正楽院大曼荼羅」胎蔵曼荼羅より