人には信頼できる 二人の師が存在する
一つは仏教の教えそのもの 一つは人との交流 その中での学び
「師に二種あり。 一には法、二には人。」
大日経開題(大毘盧遮那)より
<解説>
私たちはこの世で日々、生活を営んでいます。真剣であればあるほど、毎日悩み、苦しめられます。いま自分の進んでいる道、目指している方向が正しいのか、間違っているのか、まるで暗闇の中にいるように、自分自身の位置がつかめず不安が募ります。すると心は次第に安定を失ってしまうでしょう。
だからこそ人は、何の不安もなく頼ることができる存在を求めるのだと思います。そして、その存在に気づくだけでも幸せなことです。おかげで私たちは背筋を伸ばし、視線を足元から明日へ向けることができます。その一つが、多くの人を救い続けている仏教の教えそのもの。そしてもう一つが人との交流です。
人との交流、つながりは摩擦を生み、結果人間関係に悩んだり苦しむこともあるでしょう。反面私たちは人からの親切や、思いやり、温かさに救われます。つまり人との交流は、実際に体験による学びを与えてくれます。だからこそ二人の信頼できる師と言われます。