各周忌、回忌を司る仏様をまとめてみました。
〜お坊さんメモ〜その24〜では五七日を司る地蔵菩薩の紹介です。
忌日:五七日
逆修日:五月二四日
三昧耶形:如意宝珠、錫杖、幢幡
種子:カ
真言:オン カ カ カ ビサンマヤ ソワカ
説明:地蔵菩薩とは大地の蔵を持つ菩薩ということであるから大地があらゆる生き物を育てているように、すべての衆生を限りなく救っていくという意味になる。釈尊入滅後、弥勒菩薩が出生するまでの無仏のあいだ救いの仏とされている。地蔵菩薩は良く知られているように剃髪の姿で他の如来、菩薩と異なり、この姿は中世の童子の姿と類似して子供の守り仏となっていく傾向のひとつである。悪業をなしたものが生まれる地獄に落ちたものを救済する仏の中では観音菩薩、不動明王もいるが圧倒的に地蔵菩薩が登場することが多い。地蔵菩薩の菩提心は堅い大地のように堅固であり、衆生の苦を引き受けるとされる。まさに大地の徳を象徴した仏である。一般的には左手に如意宝珠を持ち、右手には与願印を結ぶことが多い。立像の姿の時に用いられる錫杖は地獄世界を行脚し苦しむ人々を救う象徴である。また如意宝珠は大地が無限の宝を生み出すように人々に宝を与える働きと重ね合わせ、あらゆる望みを与えてくれる。金剛界曼荼羅では金剛幢菩薩と同体である。胎蔵曼荼羅では地蔵院の主尊であり、また石井祐聖氏によれば51大日如来、阿弥陀如来、愛染明王、閻魔天、地天などと同体とされている説もあると述べている。地獄の閻魔王と同体であることから、地獄の亡者を救済するという地蔵信仰が成立した。
画像:画僧 牧宥恵 作 「正楽院大曼荼羅」胎蔵曼荼羅より