お坊さんからのお知らせ
勇猛精進日記

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〜お坊さんメモ〜その27〜

2019.10.04

【〜お坊さんメモ〜その27〜】
各周忌、回忌を司る仏様をまとめてみました。
〜お坊さんメモ〜その27〜では百箇日を司る観音菩薩の紹介です。
忌日:百箇日
逆修日:八月十八日
三昧耶形: 蓮華(初割蓮華)
種子:サ
真言:オン アロリキヤ ソワカ
説明:仏典に基づく古代インドの供養、中陰の期間が終わり百箇日、一周忌、三周忌が続く。これは先にも述べたが、中国の伝統的な先祖供養に基づいている。この百箇日を司るのが観音菩薩である。この観音菩薩の正式名は「観世音」「観自在」の二種ある。鳩摩羅什の旧訳「世間の様々な声を観る」衆生がその名を一心に唱えれば、すぐにその声を聞き、危険や苦難から救済し願いを叶えてくれることから「観世音」。玄奘の新訳「観じることが自在である」慈悲のまなざしで衆生を観つめ、その願いに応じた姿となり救済してくれることから「観自在」といずれも生命あるものを見守ってくれるという功徳を表している。それら三十三の姿に変化し導いてくれる。その根本であり総体となるのが聖観音で一般的に観音菩薩とはこの聖観音をあらわす。
慈悲を象徴する仏であり、大日如来の大悲の徳を司る。救済の功徳について具体的な記述は『妙法蓮華経観世音菩薩普門品』54に衆生の願いに従って姿を変え法を説くと記載してある。また、偈頌には「念彼観音力」と「彼の観音の力を念ずれば」と何反と記してあり盗賊、火災、難破、猛獣など様々な厄難から救済されると説かれている。衆生をよく観察し苦悩を救うことが自在である。その姿は開きかけた蓮華を持っており、これは大慈悲の力によって衆生の心の中にある清らかな仏心を開かせ、安らぎと福徳を与えてくれる大清浄の誓願を意味している。胎蔵曼荼羅では蓮華部院の主尊であり、中台八葉院の四菩薩としも住し、また釈迦院や文殊院にも描かれている。勢至菩薩とともに阿弥陀如来の脇侍で阿弥陀三尊の一尊でもある。